2/365→365/365
(「建築・デザイン工学設計製図Ⅲ」提出作品/B4 高橋真由)
計画の場所は、花火のまちとして知られる新潟県長岡市河川敷である。このまちには、幅1kmに渡る川がまたを分断するように流れており、時代とともにまちは東西に分離していった。
河川敷は年2日間の花火の日だけ、東西の人々が河川敷に集まり、中心的な存在となりまちがひとつになる。
そこで本設計では、川を挟んだ東西で人の流れが分離する境界となり、また、2/365のアイデンティティの場となる河川敷に、「人づくり」の場として機能する10のちいさな図書館を点在させ、建築に活かせる部分を抽出することで、図書だけでなく様々な要素での人のめぐりを生む。そうすることで将来的に「あそこに行けば何かがある」と東西共通の認識を持つ場となる施設を提案した。
図書館の構成として3つの機能でのめぐりを提案した。
1つ目は、点在させた敷地の周辺要素から図書以外の機能を付加することで生まれるめぐりである。それぞれの敷地での調査をもとに6つの機能を配置した。これはデジタル化により考えられている図書機能だけではない図書館の在り方を提唱する事にも繋がる。
2つ目は、本の色でのめぐりである。従来の本の分類であると、全てが単一なものとなるため、イメージで本を想像できる色で分類することで分野を特定せず抽象的なイメージとした。
このふたつを助長するのは3つ目となる返却空間である。次の図書館へと向かいたくなる空間体験の場とした。
これらの3つが重なり合い、東西を介しためぐりを生んだ。