THREE LIVES IN ONE WAJIMA

3つの暮らし、1つの輪島:輪島市の分散型復興住宅計画(B4 塩谷莞司)

2024年1月1日に能登半島地震が発生した。古い木造住宅が多く、さらに液状化現象も発生したことから木造住宅の約3 割が全壊した。対象敷地とした輪島市では朝市道路の火災も発生し、甚大な被害を受けた。現在も約2900 世帯が応急仮設住宅で生活しており、輪島市に被災者のための災害公営住宅の建設が予定されている。しかしながら、輪島市は平地が少なく、大きな敷地の確保が難しい。そこで本計画では3 つの敷地に分散型の災害公営住宅を提案する。それぞれに異なる特徴を持たせ、被災者は自分にあった住宅を選択できる計画にした。具体的には、次のように3つの災害公営住宅を設計する。輪島朝市通りの跡地には、朝市の文化を継承する生業型住居を設計する。ミセとイエが一体となり商店街などに暮らしていた被災者が生業を再開できる。一本松公園には、住民が住宅を拡張することのできる、ハーフハウス住宅を設計する。制限の多い公営住宅の自由度の低さを補うことができ、将来的には移住者の入居も見込める。取り壊しが決定している河井小学校の敷地には高齢者向けの災害公営住宅を設計する。災害公営住宅は住宅の再建が困難な高齢者のニーズが大きい。その結果、災害公営住宅での高齢者の孤立、孤独死、空き部屋の増加が問題となっている。それを防ぐため20 世帯ほどのユニットを円形に配置し、生活の中で安否確認ができる仕組みを含んだ設計を行う。また、分散した敷地がそれぞれ異なる住民の拠点となり輪島市全体の復興となる。朝市通りは商業の拠点となり、市民の生活を支える。またゲストハウスなども含み観光業が盛んな輪島市の観光の拠点にもなる。一本松公園は輪島市を一望できることから復興の拠点とする。復興していく輪島の様子を一望できる展望台を設計し被災者の希望となる。河井小学校は子供から高齢者まで、市民全員が交わる交流の拠点とする。既存小学校の体育館、校庭を生かし、多世代が交流できる場とする。以上のような、分散させた災害公営住宅の計画より輪島市全体の復興を目指す。(JIA第34回長野県学生卒業設計コンクール大学の部 銅賞)