地域とつながる空港へ:信州まつもと空港再生案(B4 矢作真由子)
長野県の唯一の空港である信州まつもと空港は信州スカイパークという広大な公園に囲まれている。公園は地域住民の散歩や運動の場として親しまれているが、安全柵や長い滑走路が物理的な塀となり空港は飛行機搭乗者以外は立ち寄る機会がほとんどない。そのため空港は地域住民から遠い存在となっている。さらに、信州まつもと空港は発着便や使用時間の制限が厳しく、コストが高いため地域住民から使い勝手の悪い空港とみなされている。このような問題は地域住民の空港への関心が薄れていく一つの原因となっている。そこで本計画では、地域住民が日常的に利用できるような場となるよう空港の再生を提案する。空港と公園を繋ぐ歩行者用通路をを設けることで地域住民の生活動線に空港を取り込み、さらに空港内に浴場施設を設け、地域住民や旅行客だけではなく、新しく計画されている競技場を利用するアスリートも利用可能な計画とした。具体的な空間設計としては曲線を採用し、空間を緩やかに区分することで利用者同士が自然に交わる場になるようにした。例えば、搭乗待合室やカフェスペースなどにおいて曲面を活用し、滞在者がくつろぎながら空港全体を見渡せるデザインを意識した。また、屋外の展望台では飛行機と信州の自然を一望できるよう曲面を前に張り出したデザインした。さらに、休憩スペースを浴場施設、空港、公園それぞれの動線に組み込むことで、利用者が一体化した体験を得られるよう工夫した。 以上のように、信州まつもと空港を信州スカイパークとの連携を通じて地域住民が集う新たな公共施設として再生することにより、空港が交通の拠点として離れた地域を繋ぐだけでなく、地域活性化を促進する施設となる可能性を提示したいと考えた。(日本建築学会 2025年度支部共通事業 第66回全国大学・高専卒業設計展示会 出展作品)





