URBAN PLANNING IN NIHONDAIRA HILLS

日本平丘陵都市計画:歴史資料館と体験型施設を複合する文化拠点施設(卒業設計/B4 渡邊望)

静岡県静岡市の日本平は、これまで地域の文化拠点として機能してきたが、近年、県立図書館の移転など、駅前への拠点移設が進められている。しかしながら日本平には、三保の松原や富士山を望む風景など、長い歴史と共に形成されてきた文化的資源が豊富に遺っており、これらが市民の生活と離れずに存在していくことが望まれる。よって本計画では、その山頂付近に、土地に残る文化や自然美を後世に伝え、学ぶための複合文化施設を提案する。設計に際しては、この場所で生き続けてきた植生や生物と、日本平からの風景やそれに呼応する歴史的文化遺産に着目した。敷地中央に資料館を置き、周辺に小規模の閲覧室や体験型施設のヴォリュームを配置した上で、それらの隙間を植生再生の場所と位置付けながら、森のような空間を創出している。また、風景を空間に取り込むため、それぞれの対象物からの軸線を風景軸として扱い、平面計画、断面計画の双方において、建物の形状に反映させている。長期的視点に立った自然環境の再生と、これまでまちが築いてきた文化や空間を保存しながら、地域住民の憩いの場所として土地に馴染んでいく建築の在り方を考えた。

渡邊パース1

渡邊スケッチ

渡邊平面図

渡邊写真1

渡邊写真2

渡邊俯瞰パース