Living way in a SHIBAIGOYA theater

喜びの住舞い方 ー芝居小屋の形式に見る新しい母屋と離れー
(木の家設計グランプリ2022 一般投票賞/杉山隼斗 B4)

コロナ禍で私たちは他者と繋がる喜び、その不可欠さを実感した。 社会の中での様々な顔、振る舞いが住宅に押し込まれるようになった今、「母屋と離れ」というテーマで家を解いていく中で、個と紐づく部屋を最小の構成単位と捉え、そこから飛び出して他者と繋がる事の喜びを体現する住まいを考える。
今回設計の舞台となるのは石川県金沢市の中心部である石引2丁目の一角。ここは西方面の金沢21世紀美術館を擁する金沢の主要観光地から徒歩18分、東方面の金沢美術工芸大学から徒歩15分ほどの場所に位置している。 周辺は金沢特有の地形が生み出す坂道により住民の生活動線が複雑に交差し合っており、対象敷地には見る/見られるの関係といったある種の舞台性がある。
登場人物は金沢市が注力しているアーティストインレジデンス制度によって滞在しに来るアーティスト2人と、金沢美術工芸大学の学生2人が住人である。住民は様々な時間軸があり、流動的で少しの社会性を孕みながら、家族のように繋がり住まう。