商いとの共生
シャッター商店街の再生とアーケードの改修の提案(B4 金島飛翔)
銚子市は人口6万人程度の地方都市である一方、日本一の水揚げ量を誇る港町である。県内で2番目に市政施行されかつては賑わいを持っていたが、近年人口減少や少子高齢化の影響から若者の姿があまり見られない静かで寂しいまちとなっており、消滅可能性都市に認定されている。本計画では、かつて最も賑やかな商店街であった銚子東銀座商店街の空き店舗や空き家に注目し、職住一体の居住空間を設け、同時にアーケードの改修を行うことによって商店街の再生を提案する。設計に際しては、このまちの漁業や農業、醤油醸造業、豊かな自然景観などのさまざまな地域資源に着目し、現在も商いを続けている店舗とのつながりを持たせるための配置を検討し、地域との関連を重視した計画とした。商店街といった特殊な場所性を持つ空間に住むことで集合住宅やシェアハウスとは異なる、「集まって住む」ことの魅力を追求している。具体的には、かつての商空間を改修して、半公共的空間へと転化することや既存住居内で空室となっている部分を改修し、個別の住居として整備することなどを計画した。また、同時に改修を行うアーケードでは、単に雨よけとしてではなく、店舗空間の拡張や、居場所を提供する家具を備える等、利用者が様々な使い方を想像できる新たなアーケードの形を目指した。こうした変化の積み重なりにより、街が変化していき、かつて賑わいのあった商店街の面影を取り戻すことを期待したい。